ユニバーサルファッションについて考える

留袖ドレスについてのお問い合わせを時々いただいており、特に体型の悩みによってサイズが合うかどうかを心配されるお客様もいらっしゃいます。なにせ、まだ1着なものでこちらが合わなければこちらのドレスをという提案もできない状態なので、せっかくお問い合わせいただいているにもかかわらず対応できなかったこともあり、かざるやでは今後留袖ドレスを増やしていけるようにと取り組んでいこうと思っています。
デザイン、パターン、縫製の全部をハンドメイドでひとりでやってるものでなかなか前に進まず、何か名案はないかなと思い、一見遠回りのようにみえるけど、専門学校に行って立体裁断を習うことにしました。

立体裁断にチャレンジ

今までは洋服をつくるときも平面のデザインで考え、製図をしていたわけですが、着物ってひとつひとつ柄も違うしサイズも違うし同じ平面の型紙をあてはめてもうまくいかなさそうなので、ボディに巻きつけて考えるという手法を取り入れようと思い立体裁断を学び始めました。

立体裁断とは、簡単に言うとボディに布を巻きつけてピンで仮止めをしてそのボディに合わせて服を作る手法で、体の凹凸を考慮した服作りができます。
たとえば、お腹が大きく出ている人の服を作る場合、平面で作られた型紙の服だと裾のラインは前がちょっと短くなってしまいますが、立体で考えると「床上がり」といって、床からの距離を測って裾のラインを決めるので、服を着たときに裾のラインが綺麗にそろいます。
お腹が出ている、お尻が大きいなどなどさまざまな体型の悩みを、立体裁断で解決することができます。
そうやって、自分の体型にに合わせた自分だけの服を作ることが、「オートクチュール」です。

私もさっそく習った立体裁断の技をしっかりと見につけるべく、ボディを買うことにしました。
キイヤの9ARといって、標準的なサイズのボディです。

留袖ドレスにしようと思っていた着物を、ボディに巻きつけ、イメージしながらピンを打っていきました。平面のときには、まず紙の上かパソコンで考えてから行っていたデザインの部分が、立体ボディに着物をあてることからはじめると、アイデアの出方が圧倒的に違います。着物が持つ魅力をリアルに感じることが出来ます。これは目からウロコでした。

ドレス仮縫い

ざっくりとアイデアが出来てから、シーチングで仮縫いをして、試着してみました。

・・・アレ?なんとなくサイズ合わないやん!

ここで、気がつきました。9号のボディサイズに合わせて作ってるので、私の体型には合ってなくて当然。
こんなときは、力強い味方のこの道ウン十年の先生が学校にいるので、相談してみました。

パリのオートクチュールでは、お客様に合わせたボディマネキンから作って、それをキープしておくのだとか。

なるほど。

でも、そんなに何体もマネキンを置くスペースもなければ、キイヤの9ARボディ定価で4万5千円・・・。マネキンを特注するといくらかかるのでしょうか。。。

体型の違いに合わせた服作りをどうするか?

①ぴったりじゃなくてもだいたい近いサイズの服を着る
②ボディマネキンからオーダーして立体裁断のオートクチュール
③デジタルの力を使う!

たいていの場合は①なのだと思います。
なので、レンタルドレスをいろいろな方に着ていただく場合、9号をメインに7号、11号、13号くらいまで展開できればたいていの方のサイズはカバーできそうです。マネキン4体抱えてひとりでやっていくにはハードルが高すぎる。そうなると人を雇ってスペースも借りて・・・ということを考える必要が出てきます。

②は、とても庶民には手がでませんが、パリのオートクチュール並みのご予算があるなら喜んで承ります。・・・が、なかなか今のご時世、現実的じゃないかもしれません。それにその値段を払える方なら、私みたいな駆け出しじゃなくて、もっと熟練の方に頼んでいると思いますし。

③デジタルの力を使うことについては、とっても興味があります。
3Dプリンタで使える素材もサービスもどんどん開発されているし、デジタルファッションの分野でも3D CADというのが実際にもうあって、お客様のボディマネキンを3Dで作ることによって、オートクチュールをコストダウンできます。とっても気になったので3DCADを作っている会社に問い合わせたところ、今のところ簡単に手が出るお値段ではなかったのですが、社長さんがとても快く対応してくださり夢広がるソリューションだと思いました。
私にとってはファッション×デジタル×着物というのはとってもそそられるので、これはいつ日か仕事の中に採りいれていきたいと思ってます。やりたいことは言ったほうが実現するので、言ってみました。
何年後かに、「あのときこんなこと言ってたね~。今もう当たり前だけどね。」となってればいいなと思います。

いずれも今の私の力では現実的じゃないということで、第4の解決策を考えてみたわけです。

服が体型にあわせてくれたらいいんじゃないか?

あらゆる人の体型に合わせた服作りを考えると、まだまだ壁があって、夢や目標として先ほどのことを視野にいれて頑張っていきたいとは思っていますが、じゃあ今出来ることで考えれば、服のデザインを工夫することで体型に合わせられるように作ったらいいんじゃないかという思いにたどり着きました。

背が高い、低い、太っている、痩せているだけじゃなく、胴が長い、お腹がでているなどなど、だからといって着物リメイクにありがちな、「着物の四角い感じをそのまま活かしましたよ」っていうずどんとした感じの服ではなくて、フィットするところはフィットして、女性らしい曲線を出せるようなデザインを考えて作ってみました。

ユニバーサルファッション留袖ドレス

留袖ドレスの詳細については次回ご紹介します。

ユニバーサルファッションって?

あらゆる体型の人に服のほうから合わせられて、美しく見えるデザインを目指しながら作ったわけですが、世の中スタイルのいい人ばかりではないし、五体満足な人ばかりでもない、一時的に怪我や妊娠で体が変わることだってあります。
そんな服について調べていくと、「ユニバーサルファッション」という言葉にたどり着きました。
そのような取り組みをしている協会もあるようなので、もう少し理解を深めていく必要がありそうです。
大量生産でも大企業でもないからこそできることがあるような気がします。

姉妹の結婚式に出るけれど、着物を着るのは苦しい妊婦さん、支えてもらえれば短い時間なら立ち上がることはできる車椅子のおばあさま、腕を服に通す時に手を挙げるのが痛いとか、なんらかの苦痛や障害を抱えている方なども着られる留袖ドレス。そんなドレスを悩みや好みに合わせてオーダーして作ることもできますが、レンタルにすることでいろいろな人に着てもらえたらいいなと思います。

もちろん、特にスタイルに悩みはないけれどこの服が着てみたくてレンタルしたい!親族の結婚式だけじゃなく海外のパーティーにも着ていきたいという方も大歓迎です。
お問い合わせください。

ドレス仮縫い
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