帯の種類はどう違う?着物にどんな帯を合わせるの?!

  • 2015年4月19日
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帯

着物の種類に引き続いて、次は帯のこと。「着物1枚に帯3本」といわれるように、帯を変えることで着物の雰囲気も印象も格も変わって着ていけるところが増えたり、コーディネートも楽しめますよね。帯揚げや帯締めなど帯周りの遊び方もいれるとさらにさらに組み合わせの幅が広がります。この組み合わせこそが、着物遊びの醍醐味ではないでしょうか♪

帯

帯の種類はどんなのがあるの?

丸帯

女性の帯の中でもっとも豪華な帯です。表も裏も同じ模様があるように仕立てられています。華やかな丸帯は、戦前までは正装の帯としてよく使われていましたが、和服の軽装化に伴い、今では舞妓さんや花嫁の帯として用いられることが多いです。
格の高い帯なのでアンティークやおばあさまから譲られた丸帯をお持ちの場合は、振袖や留袖に結ぶと豪華になりますよ。

袋帯

現在、最もポピュラーな礼装用の帯が袋帯です。昔は袋状に織られたために『袋帯』と名付けられました。礼装用の袋帯は、表地には金銀糸や色糸をつかって織り出した文様があり、裏は無地か地紋になっています。二重太鼓や振袖の変わり結びができます。
金銀糸が控えめのものや、色糸だけで織られた袋帯は『洒落袋帯』と呼ばれ、紬、小紋、付下げ、色無地などに二重太鼓にして締めます。

名古屋帯

名古屋帯は、なごや帯、九寸帯とも言います。
大正時代に名古屋女学校の創始者が締めていた帯が商品化され、名古屋で考案されたことが由来で『名古屋帯』と名付けられました。帯の長さは袋帯よりも短く、一重太鼓にして締めます。織りの帯と染の帯があり、一般的に、金銀糸を使っているものは付下げや色無地などの準礼装に、それ以外はカジュアルな洒落着に締めます。

袋名古屋帯

八寸帯、八寸名古屋帯、かがり帯ともいいます。やや地厚の織り帯で、帯芯を入れないで仕立てた単(ひとえ)の帯です。
『袋』という言葉がつかわれているのは、袋帯と名古屋帯のいいところをとったという意味で名付けられました。一重太鼓に結びますが、お太鼓の両側をかがらずにそのままにして、締めたときに二重太鼓に見えるような仕立てのものもあります。
金銀糸を使った綴織(つづれおり)の袋名古屋帯は、訪問着や色無地などと合わせて略礼装に、紬や博多織の袋名古屋帯は小紋や紬などに締めます。

京袋帯

京袋帯は、表地には文様を、裏地には無地または地紋を織りだして縫い合わせて作られています。この仕立て方は、袋帯と同じですが、長さは名古屋帯と同じくらいなので、一重太鼓で結びます。帯の格は袋帯と名古屋帯の間になります。金銀糸を使って格の高い文様を織り出したものは袋帯と同じく、礼装用に使うこともできます。

半幅帯

もっともポピュラーな細帯で、さまざまな結び方ができ、普段着着物 に使われることが多いです。礼装用の袋帯と同じ素材の半幅帯もあり、これはよそゆきとして用いられています。

兵児帯(へこおび)

柔らかい布の両端をかがっただけの帯で、もともとは男性や子供の普段着の帯として使われていましたが、最近は色や柄も多く、ボリュームのある華やかなリボン結びが簡単にできるので、女性の浴衣の帯としても使われるようになっています。歩くたびにふわふわした感じが可愛らしいですよね。

この着物にはこんな帯

では、今度は着物側から見た帯の選び方です。この着物を着たときにはどの帯を結べばいいのかな?と思ったときに知っておきたい帯と着物の関係。一概に、袋帯や名古屋帯といっても、柄のつけ方や糸などで使える場合が変わってくるので細かい説明は後ほどにして、とりあえずざっくりと表にまとめてみました。

振袖・黒留袖・色留袖 袋帯
袋帯、名古屋帯
訪問着・付下げ・色無地 袋帯、洒落袋帯、名古屋帯
江戸小紋 袋帯、洒落袋帯、名古屋帯、袋名古屋帯など
小紋 洒落袋帯、名古屋帯、袋名古屋帯など
洒落袋帯、袋名古屋帯、名古屋帯、京袋帯、半幅帯など
ウールやポリエステルなど普段着 袋名古屋帯、名古屋帯、京袋帯、半幅帯など
浴衣 半幅帯、兵児帯、袋名古屋帯、名古屋帯

振袖の帯

現在では少なくなった丸帯、ポピュラーなのは袋帯です。金糸、銀糸、箔を使った錦織や唐織などの豪華な袋帯が似合います。

黒留袖の帯

黒留袖も、昭和初期までは丸帯が多かったですが、現在は袋帯が一般的です。帯は黒以外でさまざまな色彩のものを合わせることができます。金糸、銀糸、箔を使った錦織や唐織、佐賀錦、綴織(つづれおり)などがふさわしいです。模様は留袖に合わせた吉祥文様が決まり柄で、祝儀用につくられています。

色留袖の帯

色留袖には一般的に、袋帯を合わせます。着物の模様にあわせて、模様の中の一色や同系色のものと合わせたり、着物の地色を引き立てる色を選ぶといいです。

喪の帯

葬儀屋告別式に用いる、もっとも正式な装いは黒喪服に黒共帯です。法事などに着る着物と帯は、黒+色、色+黒、色+色の3通りの組み合わせがあり、黒が多いほど喪の色合いが濃くなります。黒共帯や色共帯は袋帯か名古屋帯で、一般的には地紋があり、格調のある柄や経典の文字のものが主流です。

訪問着の帯

訪問着はTPOによって柄付けと合わせる帯が変わってきます。礼装用などフォーマルな席には金銀糸や箔をを使った華やかな袋帯を合わせます。社交着やパーティーなどで着る場合は洒落袋帯や名古帯など趣味性の強い組み合わせでも大丈夫です。

付下げの帯

付下げには袋帯、洒落袋帯、名古屋帯などを合わせます。訪問着よりも控えめで落ち着いた印象があるので、美しい色糸を使った帯がしっくりきますよ。

色無地の帯

色無地は利用範囲が広い着物なので、合わせる帯はTPOによって変わります。格のある袋帯からカジュアルな名古屋帯まで合わせることができますよ。

江戸小紋の帯

紋のついた江戸小紋をフォーマルな席で着る場合は、金糸、銀糸、箔などが控えめな袋帯や、織りの名古屋帯を合わせます。紋なしの江戸小紋で街着にする場合は、染めの名古屋帯や袋名古屋帯を合わせます。

小紋の帯

小紋をよそゆきとして着る場合は、洒落袋帯や手描きの染め名古屋帯、格調高い文様の織りの名古屋帯が似合います。

紬の帯

大島紬や結城紬などよそゆきとして着る紬の着物には、洒落袋帯、袋名古屋帯、名古屋帯、京袋帯を合わせます。カジュアルな普段着紬には半幅帯もOK。

ウールなど普段着着物の帯

ウールやポリエステルなど普段着着物には、袋名古屋帯、名古屋帯、京袋帯、半幅帯などカジュアルなものを合わせます。ルールに縛られず、遊びゴコロをとりいれた個性的な着こなしが楽しめそうですね。

浴衣の帯

浴衣には、半幅帯や兵児帯を結びます。素肌に浴衣を着るのもいいですが、半衿をかけて足袋をはき、お太鼓結びをして着る場合は袋名古屋帯や名古屋帯がいいですね。

まとめ

帯のこと、着物のことを調べてまとめながら私自身もとっても勉強になっています。知識よりも感覚的に「今日はこの着物にはこの帯にしよう!」と選んでいたので、こうして知ってしまうとちょっと違ったかな?なんて反省もあるけれど、あたらずとも遠からずだっったよねとか、ばっちりだったよねと思うコーディネートも多々ありませんか?
正しい組み合わせの着物は一応持ってるけど、着る機会があんまりない・・・・。リーズナブルな着物や帯を自分でセレクトして着る機会を増やすことで、お洒落の楽しみ方が広がるし、すでに持っていた正しい組み合わせの着物と帯を別々でも活かすことができるようになればもっといいですよね。せっかくの着物と帯が箪笥の中で眠り込んでる人、たくさんいるんじゃないかな?と私自信の反省も踏まえながら、このショップをオープンしました。
長くなりましたが、着物や帯にまつわる知っていると役に立つかもしれないシリーズ、続けていこうと思っています。

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